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第52回 間違った価格の付け方
執筆年
2001年
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今回は、ビジネスのお話です。 初めてビジネスをやろうと言う人は、サービスとか商品の値段をつけるときに、割と安い値段をつけてしまいます。 初めてどころか、何年もやっていらっしゃるプロの方も何で!?というような安い値段にしている人もいます。 思わず間違って安くしてしまう4つの理由を考えてみましょう。 @すでにそれを出しているライバルの価格を見て、同じかそれ以下の金額に設定してしまう。 Aなるべく多くの人を購買者対象にしたいから。 B自分でかかる費用や手間を考えて、正直にギリギリの値段をつけた。 C周りの人にいくらなら買うか聞いてみた。 @ライバルと比較して・・・ 人は同じ商品・サービスなら値段が安い方で選ぶに違いないと考えるわけです。 初めは安いという理由で売れるかもしれません。しかし、もし、ライバルが自分よりも資金的に強く規模的に大きい場合、あなたに勝ち目はありません。ライバルがあなたを真似して値下げすれば、価格競争になり、価格競争になれば結局、小さい方が負けるのです。 相手が自分より大きい場合は、絶対に価格で勝負してはいけません。 もし価格で勝負をするなら、初めからとことん勝負できるシステムにしておくことです。つまり、アイディアを振り絞って、経費の掛からないシステムを発明することです。それでも、そのシステムを真似されれば同じことですね。秘密は漏れます。 Aなるべく多くの人を購買者対象にしたいから。 お客さんを三角形のピラミッドで考えたときに、ほとんどの人は下の方の大きい客層を狙いがちです。なぜ選んでしまうのでしょう?一つはあなたもその層の人間だからです。もう一つは弱気です。なんとか上手く行かせたいから、少しでも多くの人に買って欲しいのです。そこに「利益を出す」という考え方よりも、「やっていく」という考え方になってしまっています。 しかし、彼らはお金がなくて、購買意欲もそれほど高くない人たちです。こちらから積極的にアプローチしていかなければ買おう!というところまで気持ちが動きません。たくさんいるけど、寄ってこないのです。 それに、あなたの他にもあまりにも似たような商品やサービスがあり過ぎるので魅力的に見えないのです。 ピラミッドの上のほうのお客さんをターゲットにする方が楽です。 なぜなら、彼らは、本当にサービスを欲しがっているし、そのために喜んでお金も出すからです。 B自分で考えて、正直にギリギリの安い値段をつける それを提供する為のコストとか製造する為の原価を計算して、その通りの値段をつけてしまうパターンです。 サービスを提供するそのコストというのが、今までの自分の時給とか日給をベースに考えていたりするとやたらと安くなります。 その考えには、そこから利益を出してもっと良いサービスを提供しようという考えはほとんどありません。 ビジネスをやる場合は、ちょっと違った発想が必要です。 ビジネスは利益が勝負です。多く買ってもらえばそれでいいというものではないのです。販売の単価を安くすれば、それだけ利益が出にくくなります。たくさん売るのは大変なことです。 C周りの人にいくらなら買うか聞いてみた。 ありがちなパターンです。 友達にこういうサービスなんだけど、いくらなら買う?と聞いてしまうのです。参考にするならいいのですが、それを本当に受け止めてしまう。 あなたの友達が心からあなたのサービスや商品を必要に感じているのなら別ですが、ほとんど場合、あまり興味は無いはずです。つまり、ピラミッドで言う下の方の人なのです。そういう人に値段を聞くと安い値段を言うものです。 僕にロレックスの値段を聞くのと一緒です。150万円のロレックスの時計を見せられても僕なら「まあ、買うなら3万円くらいだな」と答えるでしょう。もしロレックスが本当に3万円で売り出したら売れますか?きっとあまり売れませんね。しかも利益が出なくてつぶれちゃいます。ステイタスも感じないし、魅力がありません。 僕のコンサルタント料は年間600万円ですが、サラリーマンの友人に聞いて決めた訳ではありません。もし友人ならきっと月3万円くらいでしょうか。(笑) 価格のつけ方として、「失敗しない為の・・・」というスタンスで考えると以下のようになります。しかし、あらかじめ断っておきますが、僕はMBAなど取っていませんし、大学とかで専門的に習った訳でもありません。僕の野生の勘です。(笑) 【前提】 @客層をピラミッドの上にする それなりの戦略が無い限り、下の方を相手にするのは避けるべきです。見かけの人数にだまされてはいけません。お魚はたくさんいても、釣るのは難しいのです。 上の方には少ないけど、本当に欲しがっている人がいます。だから進んでお金を払います。まずはそこをターゲットにして利益を出し、資金を貯めて、広告費も出るようになったら、だんだんと下の層に働きかけるのが良いと思います。 A値上げは難しい 今までのお客さんを継続して抱えている場合は、値上げは難しいものです。正当な理由が必要になります。 でも値下げなら簡単に出来ます。 だから最初はちょっと高めに設定するべきです。 【つけ方】 @「高いものは良いもの」 人間の変な心理です。高い物ほどよく売れるものです。なぜなら、お客さんからあなたのサービスは良く見えないからです。 値段は表示されていてもロレックスの時計の中身はよく見えません。でも値段が高いと、性能もよさそうに見えるのです。やっぱりちょっと高くするのが基本です。 A頻度の法則 人生で一回しか買わないものなら、良いものを買おうと思うものです。 逆に買う頻度が高いものは安く済ませようとする傾向があります。 例えば毎日食べる昼食などは安く済ませてしまいます。逆に、年に一回の記念日などで行くレストランでは、結構高価なコースを頼んだりします。 B付加価値をつけてさらに高くする 「どうせ買うなら」の心理が働きます。 一つだけのサービスよりも、いくつかくっつけると上手く行きます。 もし、洗車サービスを考えるなら、ただの「水洗い洗車」よりも「水洗い+ワックスがけ」の方が値段が高くできます。さらに「ポリマー加工」も加えればもっと値段を高くできます。ついでに点検整備も加えてデラックスコースを作ります。実際に一番売上の主力となるのはデラックスコースだったりします。 違うお客さんを何人も相手にするよりも、一人のお客さんにたくさんのサービスを提供した方が、上手く行くのです。 Cあなたが十分儲かって、やる気になる金額にする。 これは大切なことです。最初のころは誰でも頑張ります。でも、あまり儲かっていないとどうでしょう?やる気が下がります。 それだけではなく、お客さんはわがままだから、俺はお客なんだからきちんとサービスしろと考えています。お客さんの要望に「そこまでお金もらってないんだから」と、応えられなくなるのです。そういうお客さんを相手にするとかしないとかのレベルではなくて、こういうことであなたのやる気がなくなるのです。でも十分儲かっていればやってあげられる範囲が広がるし、あなた自身が喜んで要望に応えてあげられるのです。 Dより良いサービスを提供するためにちゃんと利益が出る サービスも商品もグレードアップしていかないと売上は落ちていきます。なぜならライバルも続々と参入して来ますし、お客さんの要望も高くなります。僕達は下りのエスカレーターに乗っているのです。 それに、いつか今のサービスが売れなくなるときが来ます。その時に、次の投資が出来ないと後が続きません。 社会に貢献する為に、利益は絶対に必要なのです。 ■2005年からのツッコミ■ こういう成功ノウハウ系はツッコミどころがないです。 進歩していないという考え方もできるな。 ■2011年からのツッコミ■ 「間違った価格の付け方」のタイトルからして 正しい考え方と、間違った考え方がある前提で考えてましたね。 これは、どれだけ役立つか・・・の視点で考えると否定せずに 楽になります。 読んだ人も否定された気持ちにならないし、自分も間違った選択してしまう 不安がなくなる。 ≪2005への突っ込み。≫ この時点で、進歩してない事に気付いているのは素晴らしい
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