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第17回 起業は海を渡るようなもの
執筆年  2001年   

画・ざむ姫

マンツーマンで起業を目指す方のトレーニングをすることもあります。
そういう人と話していると、不安だった昔の自分を思い出します。

町を歩いても、雑誌を見ても、世の中には株式会社や有限会社が溢れています。
しかし、自分が経営者になるということは何か雲をつかむような気分でした。
「彼らに出来たのだから、自分に出来ないはずはない! 俺は絶対に経営者になる!!」
と不安になりそうになるといつも自分に言い聞かせていました。

起業することは海を渡るようなものです。
今いる陸地から、海の向こうの大陸に移動するのです。
その間には広い海が横たわっています。
しかし地球は丸いので大陸の姿は見えません。

あなたの周りの友人や家族があなたにありがたくないアドバイスをしてくれます。
「海は危険だよ」
「何人の失敗した人を知っているよ」
「昔、俺も失敗したんだ。やめとけ。」
しかし、彼らはまだ大陸に渡ったことはないのです。

大陸に渡った経験者はあなたに海の渡り方を教えてくれます。
泳ぎ方。
ボートのこぎ方。
帆で風を捉える方法。
モーターボートのエンジンのかけ方。

いろいろな方法をアドバイスしてくれるでしょう。
しかし、海岸に立つとあなたの心の中に、「もし渡れなかったらどうしよう」という不安がどんどん大きくなります。

ほとんどの人は、海岸で海を眺めるだけで海に出ることが出来ません。
今の季節は波が高いとか、これから嵐がくるかもしれないとかの心配も尽きません。
100%の可能性になるまで出発できない人は航海に一生出発できません。
なぜなら、100%成功する確率には絶対にならないからです。


少し勇気のある人は試しに岸から離れてみます。
しかし、「海を渡る決意」をしていないので海岸の波に押し戻され、波に飲まれるとすぐに岸に戻ってしまいます。
そして自分にはやっぱり無理だったとあきらめてしまいます。

本当に成功したいのならまず必ず海を渡るという「決意」をしてください。
毎日繰り返し決意を固めていってください。
そして70%の可能性で出発しましょう。
残りの30%はあなたの決意から生まれるどんな障害があっても絶対に成功するんだという「熱意」と、自分なら必ずできるという「自信」で埋められます。


海のかなたのこの大陸がなくなることはありません。
一度渡ってしまうと、意外とたいした距離はないし、伝説のクラーケンや、船を飲み込む渦潮は迷信でしかないこともわかります。

海の向こうの大陸にはお金が溢れ、自由な時間あります。
そして今の土地では決して得られない自分で決められる自由があります。


■2005年からのツッコミ■
いい話です。(笑)
でも、少しプラス思考に偏っていますね。そして「怖がってはいけない」という思い込みが見えます。
「恐れてはいけないんだ、不安になってはいけないんだ」と、そういうマイナス感情を
否定していると本当は恐れたり不安になる自分を見逃してしまいます。
見逃していると対処できなくなってしまいます。特に人にそれを見るようになります。
だから、当時は起業に対して不安になって足を踏み出せない人を見ると許せないと感じたものです。
不安な自分もしっかりと感じて、その上で勇気をもって進むことを選ぶといいですね・・・昔の自分に教えてあげたいです。




第16回 会社の選び方

第18回 コミュニケーションのステップ


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