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第60回 恐怖でがんばる人
執筆年  2001年   

画・ざむ姫

多くの人が独立して他人からの強制が無くなった途端に、自分をコントロールできなくなり、自分のぐうたら病と戦うことになります。(笑)

サラリーマンはとても危険です。なぜあの『満員電車地獄』に揉まれても毎日会社に行くのかと言えば、行かないと怒られ、最終的には首になってしまうからと言う人が多いでしょう。会社が作ってくれる働かなくてはいけない「やらなくちゃ」の世界に染まってしまうのです。

このような恐怖によるやる気をマイナスのモティベーションと言います。
マイナスのモティベーションの特徴は最低限のことだけをする力しか与えてくれないと言うことです。つまり、恐怖を感じないと本気で頑張らず、あるレベルまで頑張って危険を脱すると、それ以上の努力をしなくなってしまうのです。社員が一定以上の働きをしない職場は、社員のやる気がマイナスのモティベーションに支えられていることが原因の一つとして考えられます。

多くのサラリーマンは恐怖のモティベーションで生きています。これに感染すると、「いつか独立するぞ!」と心の奥で思っていても、起業しなくても誰からも怒られないので、むしろ、起業することには周囲からの反対や、収入への不安もあったりして、ずるずると生ぬるいサラリーマン生活を続けてしまいます。

マイナスのモティベーションは麻薬のようなものです。
マイナスのモティベーションで行動するのが習慣になってしまうと、「このままではまずいぞ、やらなくちゃ」というところまで落ちて、やっと”やる気のスイッチ”が入るようになります。では、その人はその後猛烈に頑張り続けるかというとそうではありません。それなりの安心領域にまで行くとまた、やる気が失せてしまい、また先延ばしを始めて自分を甘やかすのです。
こうやってマイナスのモティベーションで行動している人は、悪い状態と普通の状態をフラフラとさまよい、いつまで経っても、「慢性的に良い状態が続く領域」にまで入ることが出来ないのです。
経営が上手く行かないのは、本人の問題が大きいのです。

このような人が会社を作ると次のどちらかになっちゃいます。
社員にも甘やかしを許して、やる気の無い会社にしてしまうか、逆に社員を恐怖のモティベーションで動かそうとする会社にしてしまう。後者の場合、罰則をたくさん作り、叱り飛ばし、ノルマを課し、サボっていないか行動をチェックし・・・・
こういう会社の社員は最低限のことだけしかやら無くなり、経営者は業績の伸び悩みに悩まされるのです。

あなたが成功するにはもう一つのプラスのモティベーションを中心に使わなくてはいけません。プラスのモティベーションは、もっと良くなりたい欲望です。プラスのモティベーションで出てくるやる気は無限です。それはあなたを信じられないレベルまで高く舞い上げてくるほどの凄いパワーを持っています。恐怖に支配されずに、毎日をやる気に溢れた自分で、楽しく、充実して過ごすことができます。

プラスのモティベーションを生み出すポイントを挙げましょう。
・本当に達成したい理想の自分や、手にしたいもの、達成したい偉業などのを明確にする。(最高のモティベーションは自分の利益を越えた信念によって生み出されます)
A 「人生の目的」を毎日心に思い浮かべることで欲望を育てる。
B 目的達成の具体的な達成計画(スケジュール)を立てる
C 実行する
D 達成したら、喜んで人生の目的の達成に近づいていると確認する。


自分を動かせない人は、他人を動かすことはできません。
これを肝に銘じます。(自分かい!とつっこむ)

■2005年からのツッコミ■
「モチベーション」ではなく、「モティベーション」なのかが気になりました(笑)
「モティヴェイション」くらいにすると中途半端感がなくなりますね。

こういったことは心のことなので、頭で気づいてもなかなか変わらないんですよね。
僕はこれから何年かかけて恐れを癒していくのでした。



第59回 失敗から学ぶ

第61回 恐怖の物語


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