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第116回 電球の話
執筆年  2004年   

画・ざむ姫

これは、ある会社の掲示板にかかれたものですが、感動したのでみなさんに送ります。


ひとつの電球があります。

とてもキレイで、不思議な光を放っています。
その光は、まわりの世界のすばらしさを見せてくれますし、照らされていると元気もでてきます。

そして、ちゃんと自分の行きたい方向を、指し示してくれています。

そこで、電球の光に導かれ、自分の道を歩きはじめました。
その光を頼りにすれば、迷うこともなく自信をもって、進んでいくことができるのです。

ところがあるとき、険しい道を通って、電球に傷がつきそうになりました。
急に怖くなって、傷つきそうになったところに、絆創膏を一枚貼ってみることにしました。

これで今度、同じような道を通っても、大丈夫でしょう。

その後も、何度か電球が傷つきそうになることがありましたが、そのたびに、電球を守るために絆創膏を貼り続けました。

また、まわりを見てみると、同じように道を進んでいく人たちがいることに気づきます。
その人たちも、それぞれ電球をもっているようです。
 
暖かい光や、優しい光、厳しく真摯な中に包み込むような感じの光。
ひとりひとりが、独特の光に輝いていて、同じものは見あたりません。

そんな光を見ているうちに、ついつい自分の光と比べています。

大きく輝く光を見ていると、自分の電球が放つ光がみすぼらしく思えたり、ユニークな光を見て、自分の光が何の特徴もないつまらないものに感じられたりしてしまいます。

そこで、自分の電球に絆創膏は貼ります。
その人の光と比べて劣っているように思えるところに、貼っていきます。

そんなダメなところを見られたくないし、自分だって見たくもないのです。

それに、親切に「光はこうでなくてはならない」「こんな光に輝くことが大切なんだ」ということを教えてくれる人もいるのです。

その教えのとおりになっていないところにも、絆創膏を貼ります。

……ふと気づくと、自分がどこにいるのかわからなくなってしまっていました。

電球に、たくさん絆創膏を貼ったので、光がふさがれています。
あたりが真っ暗になって、道に迷ってしまったのです。

光がないと、自分がどこへ行けばいいのかわからないし、道が見えないので怖くて道を進むこともできません。

だから、今は光を探しています。
自分を照らしてくれる光を探すために、恐る恐る、ただ目の前の道を歩いています。

でも、いつまでたっても光はみつからないのです。
どこを探しても、自分の光はないのです。


そう……

どこも探すことはなかったのです。
電球は、いつでもここにありましたし、これからもずっとあるのです。

そして、その電球こそが自分にとって、最高の光で輝き続けていたのです。

必要なのは、ただ電球を守るために貼った、絆創膏を一枚一枚剥がすこと。
もういらなくなった絆創膏を取って、電球の光をもう一度見ること。

そのユニークな光が指す方向へ歩いていくことこそが、この世界で何よりも大切なことなのですね。

……もちろん、この電球とは、あなたのことなのですよ。

自分の光、見失っていませんか?
自分だけの自分らしい光輝かせてください!



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