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第138回 足るを知る
執筆年  2005年   

画・ざむ姫

池と睡蓮

インドかどこかの古い教えに「足るを知る」というものがあります。

「足りていることに気がつきなさい」という意味ですね。


十分成功しているに、まだ成功しようとする人がいます。

ビジネスに限らず、趣味でも、衣食住でもそれは起きます。


使い切れないほどの高収入を果てしなく求めてしまうとか、

次から次へと、大きなことをやり遂げなかくてはいけない気がしてしまうとか、

もっと人気者にならなくてはいけないとか、

もっと多くの人に愛してもらわなくてはいけないとか、

後任者にもう任せてしまえばいいのに、まだ離れるわけにはいかないと言って手が離せないとか・・・・。

(という自分も、もうたくさんCDを持っているのに、なんか物足りなくて次から次へと買ってしまいます・・)


要するに、足りていることに気がつかなくなっているんですね。

最初の欠乏感がずっと癒されないまま、本当は穴は満たされているのに、それに気がつかない。

危険なのは、これらは一見すると良いことのように思えてしまうこと。

今に満足しないでどんどん向上している=偉い

こう見えるわけ。


ところが、この裏には、罪悪感とか欠乏感が潜んでいるのです。

そういうありがたくない感情が果てしない行動に駆り立てていることが多い。


だから、本人も疲れるし、周りの人も疲れちゃうんだよね。

いつも欠乏感で走り続けるのは辛いことだし、正しい方向に進むために周りの人をコントロールしようとします。



そういう人は「今」にいない。

いつも、未来に行っちゃっている。

今の豊かさを受け取らず、今はまだ不十分。足りないぞ!もっともっと!

そういう人は、結局、どの未来でも、不十分で足りなくなるわけです。



さて、純粋な向上心と、この足りない症候群の区別はどこでつけたらいいでしょう?

それは、立ち止まったときに、心が安らげるかどうかではないでしょうか。

足を止めたとき、走るのをやめたとき、一ヶ月お休みしたとき、

やすらかな気持でいられるか、それともなにか安心できなくて焦る感じがあるか、そんなところで分かると思います。


<今日できるハピサク道>
すでに足りているものはなんですか?



第137回 夢が教える

第139回 感情の90%は過去のもの


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