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第55回 2つの忙しさ
執筆年
2001年
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人は誰でも何かで忙しいものです。 しかし忙しいには2つあります。 一つは、自分で決めた忙しさ。 もう一つは、他人に決められた忙しさ。 僕は会った方から「犬飼さんは忙しそうですね」といわれます。 そのように聞かれたときには「もちろん忙しいです」と答えますが実際には時間はあります。重要なことをする時間はいくらでも作ります。 こういった自分で決めた忙しさは、24時間をどう使うかを自分でコントロールしている忙しさです。もっと言うなら、人生を自分でコントロールしているのです。これは「自分の人生の目標を実現させるため」の忙しさです。だから、忙しいと言っても、空虚感はありません。 一方、他人に決められた忙しさはその人を苦しめるものでもあり、中毒のようなものでもあります。 他人に決められた忙しさの中にいる人は「人生で重要なこと」を決めていないので優先すべきものを見分けることが出来ていません。 スケジュールの管理はしていても、人生の管理が出来ていないのです。つまり、予定を入れるかどうかを決めているのは自分ですが、その予定が本当に重要なものかどうかを判断できていないのです。 自分の人生の目的や価値観を明確にしていない人は、誰かに誘われるままに予定を入れてしまいます。飲みやカラオケに誘われれば行ってしまうし、大した意味の無いミーティングの予定も入れてしまいます。 こうした行動はやがてツケが回って来ることになります。 人生の各分野のバランスが取れなくなり、疎かになる分野が出てくるのです。そしてその分野が重大な問題を引き起こします。例えば、運動する時間や、睡眠時間が決まった時間に取れなくなるとやがて健康が損なわれ、ある日突然病気になり人生全体に重大なダメージを与えます。 また、家族とのコミュニケーションの時間を犠牲にしていると子供の非行だとか、離婚と言ったことが発生するでしょう。学習のために時間を取らなければ、能力が下がってきて将来リストラや経済的な苦しみを味わうことになるかもしれません。 自分の過ちに気づいたときには手遅れなのです。修復するにはそれなりの時間が掛かります。 もし、あなたが今の忙しさに少しでも虚しさを感じているのなら、本当の意味で人生をコントロールしていないと言えます。 今ならまだ間に合います。「人生で重要なこと」を決めてコントロール権を取り戻してください。 ■2005年からのツッコミ■ とても的を得たことを書いています。 しかし、なんとなく「俺は人生を自分でコントロールしているぜ!」みたいな自慢が出ていますね。(笑) 深いところに「コントロールしなければ」という強迫観念があるからなんですが、このころはそんなものが自分にあるなんて気がついていません。
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