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第57回 自分で首を締めている人
執筆年  2001年   

画・ざむ姫

下の話を読んであなたならどうするか考えてみてください。

Aさんは輸入ワインを販売する会社に勤務していました。Aさんは将来、独立して経営者になることが夢です。

ある時、すでに会社を経営している友人が、「お前が直接ワイナリーを知っているのなら、会社を辞めて、そのワイナリーと直接取引きしちゃえばいいんだよ。ビジネスなんだから当たり前だ」とAさんにアドバイスしました。
会社では現在、Aさんがワインの実質の責任者のようなものです。取引の方法も販売する先も全て知っています。会社の人間でワイナリーの主人と会ったことのある人はAさんの他はいません。主人とも親しく、きっと取引してくれるでしょう。
もし、友人ののアドバイス通りにすれば、独立は1年目から成功するでしょう。しかし、Aさんは心に引っかかるものがありました。取引先を取ることは、会社を裏切ることになるのです。

簡単に言えば、選択肢は2つです。
①ビジネスだからと割り切って、アドバイス通りに独立する。
②裏切ることになるので、アドバイスには従わない。

ビジネスをやると結構このような誘惑が多いものです。
その中でも多いのが上のような「誠実さを取るか、儲けを取るか」という究極の選択です。人のアドバイスを聞く時は、その人をよーく見てからにするべきです。その人のようになりたければ、アドバイスを聞き入れましょう。

では、次のAさんの友人の話を読んでみてください。

Aさんにアドバイスした友人は5年ほど前から独立し、会社形態を取っています。彼は非常に有能で、一人の力で年収1000万円以上を手に入れています。

しかし彼は、最近一人でやることに対して限界を感じています。ここ数年、収入が伸び悩んでいるのです。今の仕事が忙しく、新しいことにチャレンジするための”まとまった時間”を取ることが出来ません。このままでは業界の将来の状況によっては収入が減る可能性もあります。今は高収入ですが、将来には不安を感じています。

会社を任せられような優秀な人材がいたら是非雇いたいと思いますが、そんな人物は全く現れません。それに優秀な社員がもし、業務内容を全て学んだ途端に独立されるのは絶対にお断りです。


実はこのような人は多いものです。笑っちゃうくらい。
自分の考えが自分の首を締めていることに全く気がついていないのです。成功の限界を自分で作り出しています。収入の差なんて結局行き着くところは考え方の差なんです。

誠実と儲けのどちらを取りますか?
みなさんは、くれぐれも”儲け”を取って、将来のあなたの部下も儲けを取るような裏切りの連鎖を起さないように気をつけてくださいね。

■2005年からのツッコミ■
はいはい。いいこと言っています。これ、なんでだっけな?なんか裏切られたことがあったのかもしれないですね。自分にもこういう傾向があって、こういうことはダメだよな、と強く反省したんだと思います。



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