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第63回 中古車屋さんと整備士
執筆年  2001年   

画・ざむ姫

全国1万人の売りたい盛りの若人のみなさんこんにちは。

僕は売るということに関しては、かなり興味を持って研究してきました。
今、思い返してみるときっかけは一番初めにやった中古車ブローカーの時の経験のような気がします。

星の数ほどもいる中古車業の人間の中で、そこには勝ち組と負け組がはっきりと分かれています。勝ち組は月に何台も売りさばき、とことん儲けています。一方、負け組は月に2台~3台をなんとか売り生活しています。ちなみに僕は完全に負け組でした。(汗)

その時僕は、事故車の見分け方やエンジンなどのごくわずかな機関の不調を見分ける目がないと、やっぱりプロとしてはやっていけないんだろうなと思いました。
正直言うと、売るためには専門知識がないといけないんじゃないかと思い、本気で整備士の資格でも取ろうかと思っていました。中古車を扱っている人間でそこまで専門的な知識をもっている人は居なかったので、これはいけるんじゃないだろうかと真剣に考えました。
バカですね。自分で思い出して笑ってしまいました。

みんなどうしているんだろうと疑問でした。そこで、勝ち組の御方々に会ってお話を聞くとちょっと驚きました。見分ける目について聞いてみると、誰も「そこまでは分からないね」なんて平気で言うのです。
自分は売れてないので「いい加減な奴らだな」と憤ったりもしましたが、よくよく話を聞いてみると「売り方」に関してはすごい知識を持っているのです。そんな方法があったの?なんていう裏技をたくさん駆使していました。

そうです。差はここにあります。
売れる人は売り方を知っている。
売れない人は商品を知っている。


僕も含めてみんなが陥る罠です。
・コンピューターを売ろうと思っている人は、プログラミングまで勉強したくなります。
・携帯電話をビジネスにする人は、携帯電話の仕組みを勉強します。
・化粧品を売る人は化粧品の各成分について研究します。
・経営コンサルタントになろうとする人は中小企業診断士の資格やMBAを取ろうとします。

みんなに必要なのは売り方の知識です。
あそこで整備士になっていたら、今ごろはきっとホンダの整備工場で働いていたでしょう。

■2005年からのツッコミ■
専門知識を学びだすと、どうしても全体が見えなくなりやすいんですよね。専門家の知識はあってもいいのですが、経営者としての視点を忘れないようにしましょう。


第62回 経営者になってよかったこと

第64回 いかに簡単に伝えられるか


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