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第71回 自分の限界を体験しましたか?
執筆年  2002年   

画・ざむ姫

自分の限界を体験したことはありますか?

僕は学生の頃「自分は全力を出し切っていない」と感じていました。
勉強は本当に全身全霊を込めて挑戦できる対象ではありませんでした。心の中で「本当に死ぬつもりで本気でやったらどれだけのことができんだろう」と思っていました。

初めて起業した時は、勝手がわからずにあまり力を出し切ることができませんでした。いつも今やっていることは正しいことではないような気がしてブレーキがかかっていました。

全力を出せたのは営業の仕事に就いた時です。
よくよく考えてみれば、「今やっていることは正しいことではない」というのは単なる言い訳です。ビジネスは失敗の連続です。一生懸命やればその分たくさんの失敗をしなければならないのです。それが恐いから全力を出さなかっただけでした。
全ての言い訳を捨てて、死ぬ気で営業をやると決めました。
人並み以上の営業センスがあるわけではないので、行動で勝負です。
一日歩きまわりました。一日に50人と会う課題を自分に課したりもしました。正直って辛かったです。しかし辛いのを飛び越えるとこんなに大変なことをやっている自分が快感になります。

気がつくと月収は100万円を越えていました。
乗ってみたかったフェアレディZを現金で買いました。
見る見るうちに昇進し、部下も増えていきました。
しかし自分ではもっとできると感じていました。
それには時間が足りませんでした。

夜の10時に会社に戻り、事務作業をするのですが、当時僕が使っていた地下鉄は11時50分が最終でした。もっと仕事がしたかったのですがいつも終電を気にしてそこそこで切り上げて帰らねばなりません。
そこで思い切って車で通勤することにしました。
会社の近くに月4万円の駐車場を借りることにしました。
車で会社に来ているのは僕だけでしたから、陰口はたくさん言われていたようです。しかし他の社員と話をする暇はありませんでしたから全然気になりませんでした。

車通勤は最高です。
会社に行く高速道路で、お気に入りのラルクアンシェルなんかを大声で歌ってだんだんとハイテンションにしていきました。そして車を降りる時には「よしっ最高の一日にするぞ!」と叫んで気分を盛り上げて仕事を始めました。
終電を気にせずに仕事が出来ることも嬉しかったですね。
みんな帰った後にシーンと静まり返ったオフィスではとても仕事がはかどります。そのうち帰るのが面倒くさくて会社に住んじゃおうかと思ったほどでした。

しかし、帰り道は命がけです。睡魔との壮絶な格闘を繰り広げていました。特に信号待ちは最悪です。どうしても待っている間に眠ってしまうのです。何度後ろの車にクラクションで起していただいたことか。
やっとの思いで家の近くの駐車場までたどり着いても、エンジンを切った瞬間に寝てしまって、気がつくともう空が明るくなっていることが何度もありました。

そんなことをやっていたらトップセールスになっていました。

全力を出し切ると言うのは気分の良いものです。
今思えば完全に過剰労働でしたが(笑)、あれこそが僕の限界だと分かりました。今の僕の大きな自信となっています。

■2005年からのツッコミ■



第70回 夢を実現する追い風

第72回 計画と実行


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