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第74回 決算?適当に頼むよ
執筆年
2002年
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おなじみの「金持ち父さん、貧乏父さん」の中でロバート・キヨサキ氏はお金に関する知識(ファイナンス・インテリジェンス)を4つ挙げています。 ①会計力 ②投資力 ③市場の理解力 ④法律力 この中の会計力について書きたいと思います。 僕は起業する前に会計学を学びました。大原簿記学校の会計士の2年コースを取りました。そこで基礎となる簿記や会計学、民法、商法を学ぶことが出来ました。 僕も「金持ち父さん、貧乏父さん」に書いてある通り、会計に関する知識は会社を経営する上で必要だと思い勉強したのですが、独立してから驚いたのは、周りの経営者の誰も会計の知識が無いと言うことです。 儲けている人でも会計の知識が無くても高収入の人はたくさん居ます。しかし、会計の知識がない人の頭の中は「今月の現金ベース」です。つまり、「今月はいくら入金があって、いくらの出費があった、だから儲けはこれだけだ」という具合です。これでは1年以上の長期で見たときの税金の影響について考えていません。 経営者になって悩まされるのが税金です。悪魔です。ガンです。 税金は経営者にとって経費となんら変わりません。経営者は経費を削減するのと同じように税金も減らす努力をしなければなりません。ルールに沿って払うのは国民の義務ですが、対策を練らないとどんどんと増えます。しかも、支払いは後からやってくるので、税金が払えないばかりに倒産することだってあるのです。 僕が会計の知識を持っていて良かったと思うのは、以下の2点です。 ①税理士と対等に話せる ②税金のことを考えて取引ができる ①税理士と対等に話せる 経営をすれば税理士と話す場面が何度もあります。そしてその時には必ず話の中に気分の悪くなるような会計用語が出てきます。 貸借対照表、損益計算書、残高試算表、減価償却、残存価格、 定率法、定額方、再調達可能価格、除却損・・・・・ 普通は聞いたことの無いような言葉ばかりです。うんざりしますね。それぞれの意味を知らなければ、会話をする気にもなれません。だから、大方の経営者は決算の時に「適当に頼むよ」と任せてしまうのです。 会計実務については担当者なり税理士がやればいいことですが、処理方法については経営者が把握しているべきです。なぜならば、処理の仕方で会社から出て行く金額(税金)が全然違うからです。 ②税金のことを考えて取引ができる 会計の方法によって税金額が違うことが分かると取引の時に予め税金のことを考え、税制面で有利になる方法で契約を結ぶことが出来ます。 お金が出て行く時、大まかに言えば、費用になるか資産になるかに分かれます。費用になればその分税金は減りますが、資産になった時は利益は増えて、払わなくてはいけない税金が増えるのです。 お金は出て行ったのに、その分の税金が減らないというのは資金繰りが苦しくなる原因の一つです。 経営者が最低限知っておく会計の知識はそれほど多くありません。 もし起業前に勉強しておく準備の時間があるのなら、簿記を学ぶのは良いと思いますよ。 いずれ「社長になる前に知っておく最低限の会計知識」と言う本を書きたいと思っています。 ■2005年からのツッコミ■
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