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第86回 『貧乏人』シリーズ
執筆年  2002年   

画・ざむ姫

※ここで言う『貧乏人』とは、『心が貧乏な人』のことです。

世の中にはチャンスの多い人と、なかなかチャンスに恵まれない人の2パターンの人がいます。

成功があるレベルを超えるとチャンスが溢れんばかりに流れ込んできます。アドバイスに従いながら、能力を高めて、前向きな姿勢で努力を続けていると、結果が出ます。信頼を勝ち得て、人脈が広がり、その人脈を通して大量のチャンスが流れ込んでくるのです。
そして、成功した人は自分では抱えきれないチャンスを、次に誰にあげようかと、いつも相応しい人を探しています。

ここで、チャンスをもらえる人と、もらえない人に分かれます。
相応しい人を見つける方法は簡単です。言葉や行動を密かに観察するのです。実際に与えなくても経験から簡単に見えるものです。相応しくない人は言い訳が多い、否定的、行動力が無い、決断力が無い、根性が無い、といった特徴を持っている人です。 彼らは『貧乏人』です。このような人にはチャンスをあげても、それをモノに出来ません。食べ物をムダにしてしまうような人には誰も何も与えません。
また、チャンスを与えるべき人を見つける方法として、チャンスをちょっと形を変えて見せるのも手です。貧乏人は目の前にチャンスが出されても、それをチャンスとは気がつかないからです。面倒な仕事と感じるくらいです。びっくりしますよ。
例えば、僕ならば・・・・敢えて書かないことにしましょう。(笑)

このような『貧乏人』には、何かの間違いがない限りチャンスは訪れません。そうすると、この人達は愚痴を言い始めます。
組織の中なら、上手く行っている人の批判をします。また組織の批判も始めます。人生では、人生は不公平だと嘆きます。
決して自分に原因があるとは認めません。またその状況を自分がいくらでも変えられるということにも気がつきません。
貧乏人は常に「チャンスをくれ!」と物乞いをしているだけで、自分からチャンスを手に入れるための努力はほとんどしません。ちょっとの努力を大げさに誇示して、自分はチャンスをもらって当然だと主張します。また、他のチャンスを手に入れた人を指差して、あの人ばかりチャンスをもらって不公平だと批判するのです。そのチャンスを手に入れた人が行った努力にはなかなか気がつきません。ましてその真似をする努力もしません。

チャンスを手に入れたければ、まずはもらうことではなく、与えることから考えることです。そして、チャンスは人がもたらしてくれる、ということを忘れずに。あなたはチャンスをもたらしてくれそうな人にどれだけ会う努力をしているでしょうか。
もし、自分はチャンスをもらっていないと不公平に感じているのなら、あなたは貧乏人かもしれませんよ。


そして、チャンスというのはいろいろな形に姿を変えています。
常に周りにあるのに、ほとんどの人は気がつきません。
チャンスはチャンスらしい形になっていることは滅多に無く、多くの場合、チャンスは危険と同じ形をしています。
例えば、ありがちなフランチャイズ、セールスが必要、加盟金が必要、昔親戚が失敗したのと同じ、新聞で読んだ商法と同じなど。ぱっと見はほとんど同じです。じっくり手にとって見るか、経験が無いなら実際に取り組んでみて初めてチャンスか危険かを判断しなくてはなりません。
宝石のエメラルドを考えてみてください。エメラルドは指輪にされるような状態で地中に眠っているでしょうか。エメラルドの原石なんて素人目には汚い石ころです。磨いてみて初めてエメラルドの輝きが現れます。いくつもの原石を磨く経験を通して、目が養われます。遂には原石を見て質のいいエメラルドかどうかを判断できるようになります。
ところが、貧乏人は原石だと思ったものがエメラルドではなかったら失敗だと考えてしまいます。何時間もかけて磨いた労力を考え、ガックリ落胆してしまいます。原石とセットで研磨機械を何百万円も出して買ったのなら、騙されたと言うかもしれません。まさに起業に失敗した状態です。
もう二度と石ころを掴まされるものか、と用心して疑わしい原石を買えなくなってしまいます。彼が待っているものはすでに磨かれたエメラルドの原石です。
ほとんどの人は一度で懲りて、全てのチャンスを怖れる『貧乏人』になってしまいます。決して来ないチャンスを待つことになります。
チャンスというチャンスをパスして、最後にはどうしようも無くなって、切迫した中で下手な判断をして致命的な失敗をしてしまうのです。

次に貧乏人が陥るのは、悪い想像をしすぎること。
おわんが伏せられた状態をイメージしてください。それがたくさんあります。その中のどれかにチャンスが隠されています。しかしほとんどはインチキな話です。確かにインチキな確率の方が多いのですが、いくつかはチャンスなのです。経験を積んだ人なら目を凝らせば見分けられるのですが、多くの人は恐がってひっくり返そうともしません。何度も痛い経験を積まなければ、見分けられるようになりません。
ここで、昔の失敗体験や他人から刷り込まれた危ないという忠告の為に、次のおわんを開けるまでのスピードが極端に遅くなる人がいます。
そういう人はついつい開けようとすると、嫌な想像をしてしまいます。
損したらどうしよう。
人からバカにされたらどうしよう。
反対されたらどうしよう。
途中でお金が無くなったらどうしよう。
嫌われたらどうしよう。
開けようかと悩んでいる間に、起こりもしない問題を想像して、必要の無いストレスを受けます。そして経験を積む量が少なくなって成功までの時間が長くなってしまいます。

貧乏人はチャンスの形をしたチャンスを欲しがります。すでに磨かれたエメラルドを探して地中を掘っているようなものです。
また、貧乏人は起こりもしない問題で悩みます。
心の貧乏ばんざい!


じつは、自分が成功する考え方を身に付けて行動するようになると、貧乏な考え方をしている人がよ~く見えるようになります。
面白いことに貧乏人は貧乏なことをしています。貧乏な言葉を話し、貧乏な行いをします。その行動は貧乏な考え方から来ています。しかし、考え方は目に見えないのでなかなか気がつきません。まさか貧乏になる考え方を自分がしているなんて思いもよらないものです。

同じチャンスでも、人によっては成功もするし、成功しない人も出てきます。これは業務レベルの能力の差でもありますが、成功しない人は責任を自分以外のことに押し付ける傾向があります。
貧乏人の考え方の特徴が顕著に出るところです。

チャンス自体が悪かった。と言ってチャンスの所為にする。
銀行がお金を貸してくれなかった。と言ってお金の所為にする。
日本の経済が悪かった。と言って経済環境の所為にする。
忙しくて時間が無かった。と言って時間の所為にする。
あの人がいけなかった。と言って他人の所為にする。

どれか自分に思い当たりますか?
人は苦痛から逃げたいものです。それもすぐに。
自分以外のものに原因を押し付けると、その場は楽になりますが、結局は自分ではどうにも出来ない状況を自分で作り出してしまい、自分の首を締める結果になります。貧乏人は楽になる為に自分でクビを締めるのです。マゾですね。

成功者は逃げずに解決をしようとします。
もし自分に原因を認めれば、自分を変えるだけで結果を手に入れることができます。環境はなかなか変えられませんが、自分を変えるのは簡単です。しかし、多くの貧乏人はそれに気がついていません。
どうしようもないものはどうしようもない。変えられないものは変えなれないと思っているのです。
例えば、忙しい状況はスケジュールを工夫したり、任せられる物は人に任せたりという事をすれば、自分次第でいくらでも改善できます。しかし、忙しい状況はどうしようもないと考えると、自分で工夫して時間を作ることを考えなくなってしまいます。自分で成功を難しくしてしまうのです。どうやっても一日を25時間には出来ませんね。

貧乏人は”自分が貧乏な本当の理由”に気がつきません。
成功の過程は、自分の貧乏人の考え方を見つけて直す過程ともいえます。
貧乏って本当に楽しいですね~。



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