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第122回 3つのレベル 番外編 「生存競争」のパターンを発見!
執筆年  2004年   

画・ざむ姫

実は、3つのレベルを書き始めようと思った時、それに関する体験がまとめて起こりました。
「ほら気づけ!」と言わんばかりに(笑)
最後の「相互奉仕」に行く前にみなさんと共有したいと思います。


車を売ろうとしたとき、自分の「生存競争」のパターンが出てきました。
例の「ドアが上に開くスーパーカー」を売るために、買ったお店に電話した時のことです。
いくらで買い取るかという話になって、僕は少しでも高く売ろうとしてありもしない嘘をつきました。

「今すぐじゃないけど次は、××を買おうと思っている。買うときはそちらで買いますから」


実際は買う予定なんかないんです。所有ということに魅力を感じなくなってしまったというか。
ところが、僕は「高く売らないと損をしてしまう」という恐怖に突然おののきました。
過去に車屋だった僕は車屋の心理を知っています。
だから「買う予定がある」と言っておけば、車屋としては
「ここで少し高く買って喜んでもらえばまた買いに来るに違いない」
と期待して高く買うに違いない、と思ったわけです。
だからセコイ”期待させ戦法”を使ったのでした。

このとき、もうひとつ、僕は無意識に傷とか故障を隠そうとしました。
「言わなくてもいいだろう。もし気づかなくてもそれは車屋が悪いんだから」
実際、僕が車を売っていたときには、傷や不具合に気づかないで自分が損をした経験が何度もあり、その時には自業自得だと自分を責めました。
それが、今になって不誠実な態度になって現れたのかなと思います。

人を攻撃するとき、その人は自分を守るためにしています。
攻撃しないと傷つくと思い込んでいるから、相手に嘘を言ったり、騙したり、批判したりするわけです。

自分の傷が痛んで、人を傷つけてしまう。

殺人者は、虐待を受けた経験があると言われます。
自分にもやはりこんなパターンが見え隠れしています。

車の売買に関することになると、いきなり「いかに自分が得をするか」という、WIN-LOSEのモードに戻ってしまったわけです。
思い返すと車屋時代は過酷な生存競争でした。勝利か敗北か!みたいな(笑)

現在、自分が中古車を買いに行って見積もりを出してもらいますが、多くの中古車屋が気づかれないところで諸費用を高く取り、少しでも儲けようとしているのを見かけます。
さすが、事故車を事故なしなんて言う大きな嘘はしないようですが、小さな嘘は平気でつきますね。

でも嘘をつかない車屋も実際あります。
高級車を扱っている店などは、下手な嘘はつきません。
そして、上客を相手にそれなりに繁盛しています。
つまり、リピートするお客さんが多いということ。
車屋でも共存共栄で成功しているところはたくさんあるんです。
長期的には、嘘が見破られた時に信用をなくすことのほうが損失だと気づいているからでしょう。

自分を振り返れば、自分が生存競争のレベルを選んでいたことが分かります。
「どうしようもないんだ」
「みんなやっている」
「こうしないと生き残れない」
と思い込んで、意図的に奪い合う世界でビジネスをしていたに過ぎません。


結局、こんなの自分じゃないと思い直し、正直に故障箇所や傷を伝えました。
すっきりした気分です。
恐怖に囚われていた自分が開放された気がしました。


3つのレベル より高いレベルに上がって幸せになる方法



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