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第174回 愛される努力が報われない理由
執筆年  2007年   

画・ざむ姫

浜辺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セミナーでお会いする方たちのお話を聞いていて、

気付かされることがあります。


人はなぜか、

愛してくれない人から愛されようと努力してしまう、

ということです。


思い当たる節がありますか?


すでに愛してくれる人からもっと愛される努力をするのではなく、

愛してくれない相手に、なんとか愛してもらおうとするんですね。


例えば、お母さんは優しくて自分を愛してくれたけど、

お父さんは冷たく厳しい人で、お父さんから褒められたことが

一度もないという人がいたとします。


その人は、大抵、お母さんではなく、お父さんのことばかりが

気になってしまうんですね。


愛してもらおう、褒めてもらおう、認めてもらおう・・・

などと思ってさまざまな努力をします。

テストで頑張ったり、いい大学に入ろうとしたり、いい子になったり・・・。

逆に、いやおうなく自分の価値を認めさせるために、

お金持ちになったり有名になろうとすることもあります。


それはほとんどの場合、大人になっても続きます。


その努力のおかげで成功しても、世間では成功者ですが、

本人はものすごく虚しさでいっぱいです。


このパターに気付かないと、人生でたくさんの困ったことが起こります。

人はパターンを繰り返しますから、

さっきの人の例なら、お父さん本人にとどまらずに、

お父さんに似て、他人を愛せない人を探して同じ行動をしてしまうんです。

無意識にお父さんに似た人に対して、愛されようと(認められようと)

努力してしまうんですね。


砂漠に水をまくかのように、無益な作業です。

それで自分をすり減らしてしまう。

 

では、どうすればいいのでしょうか?


こんなふうに相手のことを変えようと思っても、

それはほとんど失敗に終わります。

ですから、

  「受け入れること」


が最善の解決方法です。


この人は、愛しているけど表現ができない人なのだ。

この人は、ここまでしか人を愛することができないのだ。


ということを受け入れることです。

 

みんな愛することを学んでいる最中なんです。

学生の集まり。

むしろ、100%愛することができて、それを相手に伝わる形で表現できる人が

いるほうが奇跡なのです。

卒業した人がまだ学校に残っているんですから。

 

さて、最後にちょっと考えてみてください。

・・・砂漠に水をまく作業が終わるかもしれません。

本当は愛して欲しかったのに、愛してくれなかった人は誰ですか?

あなたが望んだようには認めてくれなかった人は誰ですか?

その人に似ている人は近くにいますか?

 



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