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第18回 コミュニケーションのステップ
執筆年
2001年
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どんなに優れた能力があっても、一人で出来ることはたかが知れています。何か一人では達成できない大きな目標を実現するためには自分がリーダーにならなければいけません。 ではリーダーには何が必要でしょうか。 ・人格的に優れている ・コミュニケーション能力が優れている ・相手の立場で理解できる ・すべての人を満足させる方法があると思っている ・ポジティブな考えである ・弱さを補強する関係を築ける ・勇気と思いやりをもっている こんな感じでいくつものポイントがあるのですが、今回は特に大切なコミュニケーション能力の第一ステップについて書きます。 はっきりって僕は人と接するのが苦手でした。 自分は自分の人生を歩むのだから別にそれでもいいと思っていたのですが、成功するためには致命的な欠点であると気付かされました。 簡単に言うと、ビジネスプランには感動してくれても、僕のことを好きになってもらえず、長期では人間関係にひびが入り、うまくいかないことが何度もありました。 初めは相手のことを非難していましたが、だんだんと自分を変えないとずっと成功はないぞと気付き、修行時代がはじまったわけです。(笑) 修行のために飛び込みの営業をやったのですが、いきなりの訪問者にはみんな警戒して心を開いて話してくれません。まずは先輩から「笑顔がすべて」とアドバイスをいただき、笑顔の練習をしました。鏡を用意し、人と話す前にはまず最高の笑顔を確認してから挑みました。 いやーそれはそれは自分の笑顔を見るのは嫌ですよ。最悪。でも、自分では気持ち悪い笑顔も、他人からは意外と好評だったりします。(笑) いい笑顔とか悪い笑顔というものではないく、笑顔そのものに和ませたり、警戒を解かせる力があるんですね。 いつもいつも笑顔で話す練習をしていたら、今はいつの間にか自動的にいつも笑顔になっちゃうんです。笑って話すから自然に楽しくなっちゃう。人間って面白いですね〜。 そして、コミュニケーションの第一条件として、聞き上手でなければなりません。 相手が笑顔で話を聞いてくれたら嬉しくありませんか? リーダーは多くの人の力を結集しなくてはいけません。短時間で多くの人と人間関係を築くことが求められます。その入り口は笑顔で話を聞くことです。 さあ、鏡を出して笑顔で「そうなんですか。」「なるほど。」「はい。」とあいづちを打つ練習をから始めてみましょう。自分の笑顔を気持ち悪いと思っているのはあなただけです。 ☆コミュニケーションで大切なのは話すことよりも聞く方です。 大抵の人は話をする方が好きです。 自分の話しを聞いてもらうと気分が良いものです。 そして、自分の話をちゃんと聞いてくれる人を好きになります。 では、聞き上手とはどういうことでしょう。 @声を出してうなづく。 A感情移入する。 Bポジティブなメッセージを返す。 この3つでしょうか。 @声を出してうなづく・・・・・・・ ただ、相手の顔をじっと見つめて聞き入るのは、真剣に聞いているつもりでも相手はそうは感じません。ジーっと見つめられれば居心地が悪くなります。 頭を上下にして「うんうん」とうなづくこと。そして、「そうですね」とか「なるほど」とか声を出しましょう。ここまでして始めて真剣さが本当に伝わります。 A感情移入する・・・・・・・・・・ どういうことかというと、相手が楽しい話をしている時は、いっしょに笑いながら楽しく聞いてあげて、悲しい話には悲しい気持ちで聞いてあげて、すごい話の時には驚いてあげて、困った話の時には「それは大変だったね」と相手の気持ちをわかってあげるのです。相手は感情まで伝わったことに大きな満足を感じます。 初めは大げさに感じるかもしれませんが、それくらいがちょうどいいくらいです。あなたが感動的なお話をする必要はありません。話を感動的に聞いてあげれば、相手は感動してあなたを気に入ってくれます。 Bポジティブなメッセージを返す・・・・・・ 相手の言ったことにプラスの反応を返してあげます。 たとえば、「車が故障しちゃって」と言われたら、「事故につながらなくて良かったね」とプラスの捉え方を教えてあげます。 友達が「うちの会社は今年ボーナスでないんだ」と言ったら、「自分で稼ぐいいチャンスだね」と返してあげたり、「能力を磨くいいきっかけになるね」などと、相手が力の出る解釈を教えてあげるのです。これをリフレームなんて言います。 また、褒めてあげることも必要です。 友達が「今日は英語の勉強してきちゃったよ」なんて言ったら、「向上心があるね」と褒めてあげましょう。 相手から信頼されるようになりますよ。 聞くほうが話すよりも数倍疲れます。 聞く能力はリーダーの必須能力です。 いつでも磨けますのでいつでも気をつけてみてください。 ☆リーダーの発するメッセージには一貫性がなければいけません。 今日は黒が正しいといい、しばらくすると白が正しいと言う。 そんなリーダーには魅力がありません。 主張に一貫性がなければ信頼されません。 しかし、人間ですから、考え方が変わることはあります。初めの考え方が間違っていれば途中で訂正することもあるでしょう。 しかし、基本的によほどのことがない限り変えてはいけないものがあると思います。 それは価値観・信念です。 僕はちなみにどんどん意見が変わります。(笑) でも、僕の価値観や人生の目的が変わることはこの先ほとんどないと思います。 リーダーが価値を置く考えは何か。 何を目指しているのか。 理念は何か。 これをはっきりさせ、常に柱として据え、一貫したメッセージを送ることが大切です。 世の中の人達は強力なリーダーを求めています。 あなたが自分の価値観を明確にし、それを旗印として掲げた時、多くの賛同者が集まってきます。 リーダーを目指す人は自分の考えを明確に結晶化しましょう。 そして、価値観を元にして常に一貫したメッセージを発すると、あなたの言葉には大きな力(魅力)が生まれます。 一貫したメッセージは言葉だけでは足りません。 表情や体の動かし方も一貫してなければなりません。 答えが無数にある世界では、信念こそが道しるべとなるのです。 (ちょっと小難しい話になってしまいましたね。) そして、自分の主張を受け入れてほしければ、自分の主張を自分の立場で伝えないことです。 自分の主張を相手の立場で話して、相手のニーズに合わせて説得します。 たとえば、価格を下げてもらいたい時は、強引にこちらの値段を伝えるのではなく、相手に値段を下げることで得られるメリットを話してあげます。 「もし、御社がこの価格まで値段を下げることができたら、将来当社は御社のお得意様になるでしょう。この取引のおかげで当社を顧客につかむばかりではなく、当社の積極的な意見のフィードバックにより品質の改良につながるでしょう。当社の顧客を紹介することもできますので御社は将来の顧客をつかむことにもつながるでしょう。」 大切なことは、相手のニーズを知っておくことです。 失敗して肩を落としている部下にやる気を出させる時。 その部下のニーズが「将来自分でお店を開くこと」だったら・・・・ 「今の状況が、将来のお店にどれだけ役立つか考えててごらん。お店だから、いい時も悪い時もあるよね。ビジネスは悪い時にどう乗り越えるかが大切なんだよ。今、失敗を気にしてガックリして過ごすのと、気持ちを切り替えてアクセルを踏んで頑張るのと、将来に大きく役立つのはどっちだい。」 必ず、出会った人のニーズを知るようにします。 人の役に立つにはその人のニーズを知らなければどうにもできません。 そうそう、まずは基本は聞き上手です。 その人の大切に考えていること、ものを知ってあげましょう。 これができるようになると、あなたは簡単に人を動かすことができるようになります。 相手をだますのではありません。 相手が自分から動きたくなるように、相手が考える前からこちらが動く理由を教えてあげるのです。 ■2005年からのツッコミ■ 本文の中で「僕の価値観や人生の目的が変わることはこの先ほとんどないと思います。」 と力強く書いていますが、2年後に人生の目的が変わりました。(笑) 人生の目的といったものは数年で変わるものですね。 やや一貫性にこだわっていますが、もともと僕にはちょっと一貫性のないことろがあって、 そういう自分を罰していたようです。 一貫性がないと成功しにくいというだけであって、別に悪いことではありません。人生を楽しんでいるのはむしろその時々で一貫性なく反応している人です。 そういう多様な自分、反応的な自分を受け入れればもっと「今この瞬間」を楽しめるし、一貫性の無い人を見てもイライラ怒ったりせずにいられることでしょう。
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